月曜日, 9月 10, 2018

[9/10 Mon] ▽book ひと

久ぶりに小説の感想を。

おっと、チコちゃんじゃないけれど、ボーっと生きていたら、このブログも始めてから今年の6月で丸10年経過していた。当初は、何年たったとか、今回で○○ページやらと、書き込んでいたのに、ボーっとしていたら、10年を経過する6月はとうに過ぎていた。滅多にブログにアクセスしていないからしょうがないけど。

この10年、小説を読んでいると30分もしないで、いきなり眠気に襲われる。以前は仕事場に向かう際、電車の中では、あのゴトンゴトンのリズムは読書にはとてもいい感じで、読みやすかった。今は滅多に電車に乗らない。たまに電車に乗ったり、病院や薬局の待ち時間にこの間読んでいたのは、30数年ぶりに本棚にあった黒柳徹子のエッセイ『窓際のトットちゃん』(文庫本)だった。自分も幼いころ遊んだ九品仏のお寺が登場するので、親近感を感じるのだ。

 TVなどで、この本はいいですよと、おすすめがあるとつい読んでみたくなり、図書館に予約するのだけど、とても人気だったりして、半年してから手元に届く。眠くなったりするので読むのに時間がかかるから、借りられる期間の2週間でゆっくり読もうと思っても、どういうわけか、まったく異なるタイミングで予約した小説が、一気に3冊予約の順番が来てしまう。なぜ?といいたくなる。

▽「ひと」小野寺史宜(ふみのり)著 祥伝社刊 2018年4月発行


 とても読みやすい小説だった。1時間読んでも眠気は出ず、ぐいぐい読んでしまう作品だ。
 主人公は母親に鳥取で育てられ、大学進学のために東京で一人暮らししている20歳の大学生。しかし母親の不慮に事故で亡くしてしまい、結局、大学も2年の途中で中退する。その後、たまたま出会った多くの「ひと」と接することで、人生がより良い方向に進んでいく。ひとの温かみをとても感じる作品。東京という冷たいと思われる街でも、ひとの温かさは存在する。僕が好きなシーンは、鳥取の高校で同級生だった女子と、街で偶然出逢い、そのあと二人の行動や会話がとてもキュンキュンしてしまった。誰にでも有り得そうな何気ない日常の中を、とてもいい感じで表現していると思った。



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