木曜日, 12月 10, 2015

[12/10 Thu] ▽comic おもしろーい!

 先日、93歳で他界された水木しげるの貸本屋時代の漫画を読みました。

 水木しげるの作品は、僕が小学校一年生の頃、TVで始まった実写ドラマ「悪魔くん」やアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に影響をうけて、単行本「墓場鬼太郎」(アニメ化でゲゲゲの~にタイトルが変わる前の漫画のタイトル)を好んで読んでいました。
 その後、水木さんが南方の戦地に派兵された頃を描いた、戦争物の漫画を読んだりしていました。

 ▽「地獄の水」 水木しげる著 小学館クリエイティブ刊 2008年8月発行


 この作品は、水木しげるが、まだ独身の34歳。1956年の貸本屋向けの漫画を書いていた貧乏時代のものの復刻版です。(本に添付のしおりから) なので、「ゲゲゲの女房」こと布枝さんと結婚する前です。ちなみにこの本での作者名は東 真一郎です。

 絵柄が、後の人気作品に出てくる独特の人物像ではなく、とにかく売れない作家が売るために、当時の人気作家達の絵柄を模倣して、描かれています。僕が同じく大好きな故 横山光輝氏の鉄人28号の時代と一致していることから、コマの描き方が横山氏や、手塚治虫氏の雰囲気を感じたりします。(手塚さんの名前をもじった人物も出てきます)

 またストーリーも子供だまし的な部分もあり、現代の大人が読むと、クスッと笑みがでてしまうシーンもあります。

 この作品はこの後も、何回かリメイクして描かれているとのことで、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のひとつの回でも使われているようです。

 そして、


  目玉の親父!? この作品の3年後に墓場鬼太郎が登場するのですが、鬼太郎の誕生の前に目玉の親父的なキャラクタが、貸本屋時代の漫画に何度か出てくるようです。

 水木しげるの他者には描けない独特の人物像、独特の世界観。オリジナリティのある作品はとんかく凄いと思います。

 水木しげるさんのご冥福をお祈りいたします。


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