土曜日, 6月 20, 2015

[6/20 Sat] ▽Movie 昭和初期の空気



▽「小さいおうち」山田洋次監督 松たか子、黒木華出演 松竹映画 2014年1月劇場公開

 昭和初期から戦時中の時代を舞台にしたお話。松たか子の家に女中として仕えた黒木華との
秘密を現在に解き明かされる。黒木華の現在は倍賞千恵子が演じている。
 「永遠の0」のように親戚となる現在の青年の妻夫木聡が、おお婆ちゃんの倍賞千恵子に自叙伝を書かせることで、物語は現在と過去を行き来しながら展開していく。

 当時に風景や人物の表現が、宮崎駿が好みそうな感じを受けました。「風立ちぬ」でも昭和初期が舞台だけど、セリフの言い回しやアニメの風景がそんな昔に感じないようにも思えたのです。この映画では昭和の当時に作製された映画を見ているような感じを受けました。セリフの言い回しや、人物の仕草など、山田洋次監督の持つ感覚によるものなのでしょう。山田監督は改めて凄い人だなと感じました。
 エンディングで宮崎アニメぽいなと感じたのは、最後のエンドロールを見てわかったのですが、流れた音楽が久石譲氏のものだったからというのもあるかも知れません。

 気になった場面がありました。妻夫木くんと倍賞さんの会話です。日本は満州事変後、中国との戦争状態に入り、そして太平洋戦争に突入したばかりのとき、あまりに倍賞おばあちゃんの当時の生活が明るくて、戦争を感じさせないものだから、妻夫木くんがおばあちゃんに「そんなはずはないだろう」と食ってかかっていました。実際日本本土では戦争の緊迫感が無かったのかも知れません。はじめは中国大陸やハワイが戦場だから、住んでいる日本では戦争を、対岸の火事のように思えていたのではないかと。つまり気がついたらどっぷりと悲惨な戦争していることがわかったのではないかと。

 現在の集団的自衛権の問題は、自分には関係ないと軽んじていたら、後で大変なことになっているかもしれません。



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