月曜日, 2月 11, 2013

[2/11 mon] ▽books 3冊


 ▽「百年法(上下)」 山田宗樹著 角川書店刊

 SF小説。第二次世界大戦後、日本が日本共和国となり、そして人類はヒト不老化ウイルスを手に入れ、ウイルスを接種した人間は歳をとらない体になった。死なない人があふれていく。既に各国では施行している法律、日本共和国も百年法を施行することになる。
 <生存制限法(通称:百年法)> 不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て生存権をはじめとする基本的人権はこれを全て放棄しなければならない
 時代は未来。日本経済は中国や韓国に抜かされ、小国になっている。
見た目は若いが実年齢は百歳を超えている世界は、今の世界とは全く異なる価値観となっている。百年法に反対する人たちも現われ、日本共和国は混乱に陥る。
 
 分厚い上下巻の作品。全体の四分の一を読んでいくまで、内容が固い面もあるせいか読みづらさを感じたものの、読み続けるうちにどんどんと読んでしまった。設定がとてもよく考えられた内容だと思います。また現代の日本の社会を振り返る機会を持たせてくれるような気もしました。

 今回の本のちょっと気になる文章をピックアップ。

○「諸君、私はこう思う。大きな責任をともなう決断を迫られたときは、感情論や精神論、希望的観測を可能なかぎり排して臨むのが、正当な対し方かと」

○「話し合いばかりで決断が遅れ、しかもその決断が曖昧なものに終始しては、この国は本当に滅ぶぞ」

○「そうなってからあわてても遅い。だが残念なことに、人が危機に備えることの必要性を納得するのは、たいてい、危機に呑み込まれてしまった後なのです。」


 ▽「よくわかる元素図鑑」 左巻健男/田中陵二著 PHP研究所刊

 12月29日にこのブログでアップした昨年アメリカの書籍の翻訳書籍 「世界で一番美しい元素図鑑」は、写真を中心に元素を紹介していました。今回の日本の本は、写真だけでなく解説がたっぷりあります。何気なく眺めていてもいい感じです。綺麗な元素の写真は宝石図鑑を眺めている感じがするからです。是非小学生に読んでもらいたい本だと思います。



 ▽「ボーイング787はいかにつくられたか」 青木謙知著 ソフトバンククリエイティブ刊

 先月故障が多発したボーイング787について書かれてはいますが、主にボーイング社の歴史を歴代の航空機に焦点をあてて解説しています。著者の青木氏はよくTVで飛行機や軍事関連の解説で画面に出てきます。青木さんの文章はとってもわかりやすく興味を持たせます。読んで気持ち良さえ感じます。僕は車のフォルムを見て気持ちがワクワクしますが、飛行機、特に旅客機も大好きです。あの飛行機の姿を見るとうっとりとしてしまいます。
 ボーイング787の開発には日本の企業が多く参加しており、最新の技術が投入されているこれからの中心となる航空機と思われるので、現在の問題も早く解決に向かって欲しいです。


0 件のコメント: