土曜日, 5月 19, 2012

[5/19 Sat] ▽厚生年金基金の話

 サラリーマンだったとき、勤続年数の約半分強の期間、退職するまで厚生年金基金に加入していました。加入していたもののそのときは存在を意識していませんでした。退職するときに定年後に月々お金をもらうか、一時金としてもらうかの選択の書類が届きました。

 国民全員が加入する基礎年金、そしてサラリーマンの場合は基礎年金に加算される厚生年金があるわけだけど、厚生年金基金はまたそこに加算される年金制度です。退職時にもらった推測される基金部分のもらえる年金月額は1万円ちょっと、と書いてありました。年にして15万円くらい。そのときは定年後にもらおうと考えていたのです。ところが今年に入り、AIJ問題が明るみに出ました。投資会社の不正です。巨額な損失を出していたことがわかりました。TVや新聞で細かく解説され、僕はその時点でやっと年金基金とは何か、そしてその運営状況が良くないことを知ったのが正直なところでした。
 日本のバブルが崩壊してから20年。年金基金の制度ができた昭和30年代の高度成長時期に夢描いた理想の年金生活をうたった年金制度は、軌道修正することなく突き進み崩壊寸前まで来ています。政府は今後投資会社に情報の公開を求める方向にするようです。もしかすると今回のAIJのような会社が出てくるかも知れません。年金基金に多くが加入していた中小の企業にしわ寄せがくることになります。負債の負担を求められて企業が連鎖してドミノ倒しのようになるおそれもあるわけです。今の政府は今回のAIJの出した損出を基礎年金や厚生年金から年金基金の穴埋めはしないという方針のようです。仮に政府が中小企業が倒産しないような仕組みを作ったとしても、定年後にもらえるはずだった加算部分のお金は当初の金額はもらえず、残っているお金を従業員だった加入員に山分けの一時金で支払われるかもしれません。損失額が大きければ0円かもしれないわけです。

 そんなことを考えたら心配なったので、今のうちに一時金でもらうことにしました。妻も加入していたので、僕と妻ともに支払い請求をしました。後でわかったのですが妻の年金基金では保有金額の5%をAIJに委託していました。このところAIJ問題は調査段階で少し静かになっているようですが、しばらくすると新たな投資会社の不正がみつかり大きな炎があがるかもしれません。

 もっともっと大きな問題はギリシャの債務問題です。ヨーロッパ諸国の窮地に立っている国々が連鎖的に破綻したら、いわゆる世界恐慌が襲ってくる可能性が高くなり、日本もどうなるかわからなくなります。世界のいたるところで暴動が発生し、それが火種になり国境を越え、民族間の問題ともリンクし、戦争へつながるかもしれません。

 時代のうねりの始まりは大地震のように突如発生し、大津波のように全世界を飲み込んでしまいます。一寸先は闇というのが今の国際状況のように感じるのです。

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