金曜日, 8月 24, 2012

[8/24 Fri] ▽book 「異性」






▽「異性」 角田光代 × 穂村弘  河出書房新社


 小説家の角田光代さんと角田さんより5歳年上の歌人の穂村弘さん(自称、中年ののび太)の二人がウエブマガジンでやり取りした「異性」についての内容が本になったものようです。
そのやり取りはとても面白い! 男と女。その不思議な違い。

 内容の一つに、なるほど!と納得したものがあった。自分の娘の化粧にかけるエネルギーの大きさに疑問を持っていたのだが、角田さんは、男から『おごられる女というのは、「がんばっておしゃれしてお化粧して可愛くして」いるのである。』といっている。化粧でお金をかけてがんばった成果が、そういうおごられる、おごられないの境目になることもあるようだ。化粧の努力も無駄ではないということなのか。
 先日知り合いの女性が、女は化粧をすると気持ちが切り替わるので重要だとも話してくれた。
男にはわからない点だ。

 また角田さんは「もてる人には、”スペース”がある」といっている。それは隙(すき)があるのがもてるというより、”スペース”という言葉のほうがしっくりくるという。他人が付け入るスペースがないともてないという考え方だ。

 それから女性はその男が好きの間は、考えのズレが許容されるが、嫌いに移行すると、とたんにそのズレが許容されなくなる。熟年離婚の場合がそうだ。好きの間は自分が好まないことも許していたのに、好きではない側に移ると今までのすべてが許されなくなる。男と女の年齢が近いとそうなりやすく、年齢差があると歳が上の方が、しょうがないとあきらめてしまうのだという。あきらめてしまうのも悲しい気もするが。

 男と女が好きになるのに理由はないが、分かれるときには理由がいるというのが面白い。

 僕はこういう「男と女」の違いを考察するのがどちらかというと好きである。そういう会話ができる「異性」が僕には必要である。


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