火曜日, 11月 05, 2013

[11/5 Tue] ▽books アル中とネコとクルマ

▽「失踪日記」 吾妻ひでお著 イーストプレス社刊 2005年3月発行

 今月「失踪日記2」が発売されたと何かで見て、では「1」を読んでみようと思ったのでした。この本は漫画です。吾妻ひでおさんは漫画家で、今年で63歳。たしか僕が小中学生のときに読んでいる漫画雑誌などに掲載していて、どちらかというとマイナー的な漫画だと自分では思っています。描かれている女の子がすっごくかわいくて、漫画のタッチも好きでした。でも常に漫画を目にしなかった理由は、この本で少しわかりました。

 作者はいきなり漫画の締め切りを無視して、失踪してしまった過去があるからです。その模様を自ら漫画で告白しているのです。失踪した作者は、いわゆるホームレス状態で、街近くの山の中で暮らしていたようです。お金がないからお店のゴミ箱をあさって食べていていたりしました。いわゆるサバイバルな生活です。人間ってこういう食生活でも生きていけるんだと感心してしまいました。
 
 またひょんなきっかけで、ガス工事請負会社に勤めることになり、この摩訶不思議な世界についても書かれています。
 作者は漫画を執筆しているときから、アルコール依存症に陥り始めていました。朝から晩まで呑んでいるような生活になり失踪、そしてアル中改善のために精神病院に入院した模様が描かれています。アル中をなおすための病院ってこんなところなんだと、知らない世界を垣間見ることができ驚きです。そして様々な人間が暮らしているこの世界はちょっと怖い。アルコール中毒に絶対ならないようにしないと。
 作者の生活を振り返ってみると、これも漫画家の仕事環境が劣悪だからと思えます。大好きな漫画を書いているのだけど、漫画に対する低予算、そして多くの過酷な執筆要請と、ある意味酒を飲まなきゃやってられないよぉ!ということが問題なのだと思いました。

 
 
▽「ネコの気持ちがわかる本」 ネコとの暮らしを楽しむ会著 扶桑社文庫刊 2008年8月発行
 
 普段のネコの行動について、ネコ好きの人たちの経験から書かれていて、疑問に思っていることが解決します。読んでいるとネコが、より一層愛しくなってきます。普段から接していると、ネコのマッサージのツボが気になっています。ネコが気持ちいいとゴロゴロと声!?を出しますが、こちらも癒されます。
 
 
 
▽「企業風土とクルマ 歴史検証の試み」桂木洋二著 グランプリ出版刊 2011年5月発行
 「日本自動車史年表」 GP企画センター編 グランプリ出版刊 2006年9月発行
 
 「企業風土とクルマ」では、日本の自動車産業のクルマの会社が創業を始める1930年頃からの企業の歴史が書かれています。日産自動車の前身から始まるクルマの会社から始まり、撤退会社、吸収合併した会社、そして最も新しいクルマの会社のホンダの状況も、その現在までの歴史が良くわかります。「日本自動車史年表」では、前者の本を読みながら、実際のクルマの年代順の歴史が良くわかります。

 今年の東京モーターショーが開催されますが、その華やかに見えるクルマの世界ですが、会社の中を除くと、どうしてもドロドロの陰の部分があるのは仕方がないのかもしれません。僕はどうしても技術者の立場から見てしまいますが、経営者の方向性でどれだけ成功するか失敗するかが大きく左右されるわけです。今国内では第二位のシェアともいえるホンダ。神様の本田宗一郎も当時2輪では社長して大成功していますが、4輪の世界に参入後は経営から抜けてから、4輪での成功に繋がっていくことがわかります。かならずしも天才技術者が、会社経営が成功するとは限らないようです。会社は大きくなればなるほど、斬新的な行動がとれず、保守的な動きにならざるおえないと思えます。経営者によっては独裁者のようになって会社運営をするところもあります。結果その「好ましくない独裁者」の判断が会社を衰退させてしまうこともあるわけです。

 この本を読むとそのクルマは世に出てくるまで、そのクルマがどういうコンセプトの元で作られたかがわかります。技術者が夢を目指してようやく完成にこぎ着けることもあれば、経営者がとにかく儲けたいがために、安易に開発されたクルマもあります。クルマ好きの僕は技術者たちの魂を感じてクルマに乗りたいと感じました。
 
 

 
 

0 件のコメント: