日曜日, 11月 03, 2013

[11/3 Sun] ▽movie 「歩いても歩いても」

▽「歩いても歩いても」 2008年作品 監督脚本:是枝裕和 出演:阿部寛 樹木希林 夏川結衣 YOU 原田芳雄

 今年カンヌで賞を取った福山雅治主演の映画『そして父になる』の監督是枝裕和監督の映画を見てみたいと思ったのでした。

 
 淡々と日本の実家で過ごす家庭を写しています。監督は以前テレビドキュメンタリーの作品を作っていたのだそうで、映画も’作り話’に思えなくて、実際の家族の風景を隠しカメラで撮っているようにも感じます。カメラアングルも固定で画面を切り替えずに撮っているのが、ドキュメンタリーのように感じるのかもしれません。あまりにも自然に感じるのです。その雰囲気がヨーロッパの、フランスの映画のような(そんなに詳しい訳ではないが)雰囲気を感じる映画です。

 ストーリーは、お盆に三浦海岸近くに住む元開業医の老夫婦の実家に、長男の命日で集まった子供家族の様子を描いています。ごく普通の日本の風景で、老夫婦と長女夫婦、そして次男夫婦がどこにでもあるような会話をしているのです。しかし、その会話の中に人間の心理が描かれているのが深いと思います。会話も’台詞’ではなく、普段の会話そのもののようだ。普段人の会話って、文章が完璧ではないのだと、つくづく感じます。

 ただ淡々と写されている画面なのだけど、心に深く染みこんでいく。この映画ができてから30年、40年経過した頃この映画をみると、きっと「平成二十年頃の日本はこんな風景だったのだなぁ」と、今われわれが戦後まもなくの映画を見たときの感覚のように感じるのだろうと思います。ある意味日本の歴史を記録するドキュメンタリー記録映画の一つとしても、いいのかもしれない。

 ちなみに「歩いても歩いても」(英題STILL WAKINNG) いしだあゆみの歌の歌詞だったのか!?

水野晴夫さんではないが、「映画ってホントにいいですね。」と思う作品でした。


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