土曜日, 4月 07, 2012

[4/7 Sat] ▽book「マザーズ」


「マザーズ」金原ひとみ著 新潮社。

 知り合いの3人の乳幼児の母親が、それぞれの視点から交代交代に章立てされて話が進む。
小説家のユカ、モデルの五月、専業主婦の涼子の3人の生活の様々な苦悩が描かれている。
育児の孤独化からくる子供への虐待、ドラッグ漬け、不倫など。
金原さんの本は初めて読む。描写がとても細かく感じ、それらが詳細な画像となって読むことができた。

 「私は死ぬ間際、この人生で一番幸せだったのはいつだったかと振り返る余裕があるとすれば、おそらく妊娠期間を思い出すだろう。」
僕はこれを読んで女性は子供を身ごもることは人生で最大の幸せなのだ感じることを知った。男の体では知り得ない話だ。

話の中で子供ができることで夫との関係もギクシャクしてしまう。
母親が出産前までの日常生活と打って変わり、夫が育児に関わらないことから、孤独に昼も夜もない子育てを必然的に強制され、夫との仲は遠いモノとなり、また取り巻く社会も決して優しくはないと感じてしまう。孤独な子育てが人の人生を狂わせてしまう。

この本を読むことで男の僕は、女性が同姓および異性に対する思考がとても複雑で難しいとも感じたのであった。
読んでいて胃が重たく感じるほどのとても重い話のせいか、サクサクと読むようなことはできなかった。
重い話を読んでいて、刺激が多すぎる生き方より、何気ないフツーの生活が幸せなのかもしれないと感じたのであった。
 

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