水曜日, 10月 10, 2012

[10/10 Wed] ▽books 「東海道中膝栗毛」

 先月NHKの番組でチラッと見たのが「東海道中膝栗毛」のドラマだった。最後のほんの数分だけ見て面白そうと思ったのでした。
 思えば予備校の古典の授業で、日本の書籍と作者を暗記させられたとき、そのひとつが「十返舎一九の東海道中膝栗毛」でした。名前は知っていても読んだことがありませんでした。今から200年ほど前、江戸時代の著書です。原本はどう逆立ちしても読む力はないので、現代語訳で子供向きの本を選びました。


(右)▽東海道中膝栗毛 (これだけは読みたいわたしの古典) 来栖 良夫著 童心社刊


(左)▽東海道中膝栗毛 (21世紀版少年少女古典文学館) 村松友視著 講談社刊


 滑稽本と呼ばれる江戸時代の大ベストセラーのこの本は、今読んでも面白い内容です。東海道を江戸から出発して、伊勢神宮のゴールまでの旅を描いています。主人公の弥次さんと喜多さんの漫才コンビのような二人は、いたずら好き、冗談好き、女好きと、はちゃめちゃなキャラです。児童向けのため写真右の本はよい子に悪い影響のない部分を選び、短めに書かれてます。大人が読むとちょっと物足りない感じです。左の本は現代語訳を村松友視さん、イラストは南伸坊さんで中学生以上向けという感じです。こちらの本は多くの話が掲載されています。また村松さんの感覚で現代的なおもしろ表現が追加されています。
 
 読んだ感想として、江戸時代当時の「地球の歩き方 東海道編」という感じでは、と思いました。当時、伊勢神宮参りはブームで多くの民衆が伊勢まで旅をしたそうですが、簡単に国を出て旅するのは決して簡単なことではなかったようです。東海道の宿場町の特徴や特産品について述べられていたり、川を渡るときの値段や、街道を行き来する旅人について書かれています。物語の中には伊勢までの旅をする人のガイドブック的な要素が含まれているからです。

 200年前も人は旅が好きだし、他人をだます人もいるし、女好きの男もいるわけで、現代と人間そのものは変わらないんじゃないかと思います。


 

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